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私たちが暮らす熊本には、人々の生活にとけこんだ数多くの文化遺産が存在します。
それらは、それぞれの地域の歴史を物語り、人々の心を支えるととに、
個性ある地域づくりを進めるうえで、欠かせない素材です。
その中には、史跡指定により重要文化財として位置付けられたことで、地域の活性化に貢献し、
教育・産業育成・観光に少なからず影響を与えている例もあります。
現在、地域の再編が進む中、このような多様な価値を持つ文化遺産を、改めて認識する意義は大きく、
その可能性を引く出すための機会が必要ではないでしょうか。
このような趣旨のもと、
九州文化財研究所は「加藤清正の端城と文化遺産の活用 −熊本城築城400年によせて− 」
をテーマにシンポジウムを開催しました。
築城400年を迎えた熊本城に関係する加藤清正の端城(支城)に注目し、
それをとりまく地域の文化遺産を来場された多くの方に考えていただく機会を持ちたいと思いました。
今回のシンポジウムでは、地域の文化遺産に精通された、
九州大学大学院教授 服部英雄先生に基調講演をしていただきました。
先生は文化庁に勤務されたご経験などから、熊本県内の文化遺産についても深い見識をおもちです。
引き続き、加藤清正の端城(支城)を再認識し、
文化財担当者及び地域の活動グループの方々から文化遺産に対する取り組みや考え方、
活動事例を紹介しました。これを機会に、皆様の身近に息づく郷土の文化遺産を、
掘り起こしていただければ幸いです。
最後になりましたが、基調講演を快くお引き受けいただきました服部英雄先生、
今回のシンポジウムに御理解と御協力をいただきました、パネリストをはじめとした多くの方々に、
厚く御礼申し上げます。
平成20年8月9日
株式会社 九州文化財研究所
代表取締役 徳永 和人
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